「読点」は誤読、難読を避けるために打つ。

  A組の担任の先生がわあわあ騒いでいる隣の教室の生徒を叱った。

 これだと、「わあわあ騒いでいる」のは、先生なのか、隣の教室の生徒なのか、すぐにはわかりにくい。「先生が」のあとに「、」を打って、

  A組の担任の先生が、わあわあ騒いでいる隣の教室の生徒を叱った。

 とすれば、このほうが読みやすい。

  先生は楽しげに遊んでいる生徒たちの姿を眺めていた。

 では、「楽しげ」なのは、先生なのか生徒なのかわかりにくい。先生が「楽しげ」ならば、

  先生は楽しげに、遊んでいる生徒の姿を眺めていた。

 でなければいけない。生徒が「楽しげ」ならば、

  先生は、楽しげに遊んでいる生徒の姿の姿を眺めていた。

 としなければならない。このように、読点を打つ場所によって意味が違ってしまうから「、」は、あだやおろそかに打ってはならない重要な存在なのである。

 読点の打ち方でよく使われる例には、こういうのもある。

  警官が血まみれになって逃げる犯人を追って行った。

 これでは、「血まみれ」になっているのは警官なのか犯人なのかわからない。「警官が、血まみれになって逃げる犯人を追っていた」なら、犯人が「血まみれ」なのだし、「警官が血まみれになって、逃げる犯人を追っていた」なら、「血まみれ」は警官だ。

 打つ場所を間違えると、文章の意味がまったく違ってしまう。

 「読点」は誤読、難読を避けるために打とう。

 

「小論文に強くなる」(轡田隆文著) P66〜P68より引用

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