「なるほど」と思わせるために

 「なるほど」と思わせるためには「説得力」と「防衛力」とが必要である。

 「説得力」とは何か。読み手をして、同意もしくはそれに近い意思を引き起こさせる記述力である。説得力があるためには、論旨と論旨の間にスキ間があってはならない。裏付けのしっかりした素材は、説得力を高める。

 「防衛力」とは何か。読み手に反論の余地を与えない、論理的な構成力をいう。読み手は、好意的であるか非好意的であるかを問わず、常に疑問符を投げかけながら読む。またこれが論文の正しい読み方でもある。

 論述を進めながら、読み手の疑問符を消去していくものであることが望まれる。ときとして、読み手は積極的に論理を突き崩そうとする。予想される「突き崩し」に備えて、十分に耐えられるだけの構築物になっていればいうことはない。

「日本語の文章術」(奥秋義信) P322〜323より引用

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