強調しているか?

 相手に覚えてもらう方法の1つに、反復があります。

 テレビのコマーシャルで商品名を繰り返すのも、選挙で候補者名を連呼するのも、消費者や有権者に覚えてもらうためです。でも、いくら反復しても、商品者や有権者の印象に残らなければ、購入も投票もしてくれません。

 特に書いたり話したりするときに、ただ同じフレーズを反復するだけでは、効果はありません。いえ、かえって相手の不快を誘うときもあります。

 親は子供に、宿題したか、勉強したかと繰り返して強調しますが、子供はそれを不快な思い出しか受け取りません。その結果、子供には勉強に対する悪い印象しか残りません。強調して良い印象を残すためには、下手な反復は無用です。

 では、相手により良い印象を与えるためには、どのように強調すればいいのでしょうか。よく使われるのは、違う言葉に言い換える方法です。たとえば、

 「経営者に必要なことは、自分の目と耳で確かめることである」

 というメッセージを言い換えて強調すると、

 「経営者に必要なことは会議を開くことではありません。今すぐ行動することです。現場に足を運び、自ら客になることです。そしてそこで何が起こっているのか、自分の肌で感じることです」

 となります。「会議を開くことではありません」「今すぐ行動することです」「自ら客になることです」「自分の肌で感じ取ることです」と、言葉を変えて繰り返して訴えています。こうすると、メッセージが力強くなります。

 次に、別の事例やたとえを示して強調する方法があります。たとえば、

 「思考力は、考える習慣によって身につく」

 というだけでは印象に残りませんが、

 「毎日バットを振り続けない選手は、一流のバッターにはなれない。毎日発声練習をしない歌手は、いずれ歌手でなくなる。同じように、考える習慣のない者に、思考力は身につかない」

 とすると、どうでしょう。

 このように他の事例を列挙すると、かなり印象深いメッセージになります。一見関係がないように見えることがらと関連付けることによって、メッセージを強調することができます。

「書ける!話せる!31のパフォーマンスと実践」(有本隆) P122〜P124より引用

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