結びの工夫

 文章全体を最後の段落で引き締める―それが結びの工夫ということである。

 内容的にはいわゆる「結論」の段階である。序論、本論で述べてきたことを、結論で総まとめにする。とくに本論で焦点としたことについてのおさまりをきちんとつける。それが結びの工夫である。

 結びの工夫は、主題の内容、文章の長短によっておのずから違ってくる。時によっては、本論で言おうとしたことを強調することも考えられる。比較的長い文章では、全文を要約して、その主旨をはっきりと読み手に再確認させる場合もあろう。

 時と場合によっては、最後の一句を結論の中の小段落として、千金の重みをもたせるということも考えられる。これを中国流にいうと、「画竜点睛」というのであろう。

 しかし画竜点睛は「言うは易く行うは難し」。文章に相当の年季がはいってからでなくては至難のわざである。したがってあまり意識して結びに技巧を用いることは考え物である。そうかと言って、あまりおざなりでは、文章全体のタガがゆるんでしまう。

 結びの工夫を学ぶにはかねてからの心がけが大切である。新聞ならコラムの結びに気をつけておく。天声人語や余禄には、うまい結びがしてある。短編小説の結びにも学ぶ点が多い。

「大学生の作文・論文の基礎」(陣ノ市宣男) P94〜P95より引用

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