「論理的に正しい」とは

 「論理的に正しい」とは、ラフないい方をすると、形式が正しいことを意味します。

 より正確にいえば、発言の論理的な正しさは、内容ではなく形式にかかわるのです。

 3段論法が論理的に正しいことに異義をとなえる人はいないでしょうから、これを例にとって「論理的に正しい」とは何であるかを、見てみましょう。

 まず、だれもが知っている3段論法は、次の形式をもっています。

 XならばY、YならばZ。ゆえにXならばZ。

 3段論法の表記中の記号X、Y、Zの部分には、何を代入してもかまいません。つまり、何を代入しても論理的な正しさは保たれます。そこで、いろいろ代入して文章を作ってみましょう。

 まず、Xに「欠点をもっていない」、Yに「だれからも好かれる」、Zに「煩わしい思いをする」を入れてみます。すると、次のようになります。

 欠点をもっていないならばだれからも好かれる。

 だれからも好かれるならば煩わしい思いをする。

 ゆえに、欠点をもっていないならば煩わしい思いをする。

 これは論理的に正しい発言です。

 次に、Xに「聡明な女の子」、Yに「悪意をもたない」、Zに「魅力に欠ける」を代入してみましょう。

 聡明な女の子は悪意をもたない。

 悪意をもたなないならば魅力にかける。

 ゆえに、聡明な女の子は魅力にかける。

 これも論理的に正しい発言です。

 さて今度は、Xに「黒猫」、Yに「魚類」、Zに「不死」を入れてみましょう。

 黒猫は魚類である。

 魚類は不死である。

 ゆえに、黒猫は不死である。

 これも論理的に正しい発言です。

 と、ここまで例を並べれば、例があなたに雄弁に語りかけることでしょう。「論理的な正しさは形式にかかわる」とはどんな意味なのか、もうおわかりですね。

 

「論理的に話す方法」(小野田博一)P40〜P42より引用

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