「論理的に考える」とは

 論理的に考える、とは、理詰めに考えることです。したがって、思考過程に飛躍があってはなりません。問題の核となっている部分の何かを当然のこととして見なして、その上で結論を出すのはだめです。考える際には結論を先に出してはなりません。結論が先にあって、「それを支えるために理由を考える」のではいけません。そのためには、思い込みを排さなければなりません。そして、そのためには「この考えは意見の異なる人に理解できるだろうか」と考えましょう。また、そのための基本精神として、考えは人それぞれであることを、知識として知っているだけではなく、実感で知っていなければなりません。

 根拠は結論を説得力―理にかなっていることからくる説得力―で支えなければなりません。あなた自身にとって「理にかなっているか」を考えましょう。そのためには短絡的な思考ではいけません。「そう思うから、ゆえに、そう思う」では、他の人はもとより、あなた自身すら説得はできないでしょう。「女性は消極的であるべきだ。なぜならそうあるべきだから」という浅い考え方はやめましょう。深く、くわしく考えるのです。この「深く、くわしく考える」とは、自分の心の中に隠れているものを見る努力をして、それに成功することです。具体的に考えましょう。抽象的なことを考えて具体的なところまで思考を進めないのでは、酔っているだけです。

 自分自身をごまかして考えてはなりません。自分自身の思考に対して批判的でありましょう。「理詰めの説得力」という観点から、自分の考えを批判しましょう。根拠が主張を支えるときの支え方が、理にかなっているかを考えましょう。

 批判的に考えることは、読むとき・聞くときの重要点でもあります。「これで私は納得できる?」とつねに考えましょう。根拠が貧弱な(あるいは無い)主張や、根拠によって論理的にさあ得られていない主張を鵜呑みにしてはなりません。これはまた、読む・聞くときに受動的ではなく、能動的であれ、という意味でもあります。そしてこれはまた、自分自身の足で立って考えよ、という意味でもあります。

 他の人に対して「論理的に考えている内容」を示す際には、論理的に考えているのだということを示す努力も必要です。あなたが論理的に考えて得た結論を示す際、「**です」だけでは、あなたの考えは聞き手・読み手に伝わらないでしょうし、その「論理的な正しさ」もそうです。

 論理的な思考とは、秩序だった思考です。秩序立てて考えねばなりません。考えを示す際にも、秩序立っていなければなりません。思いつくままに書き並べるのではだめです。「理詰めに考えている」ということを示すためには、帰納と同じで、根拠に量がなければなりません。いろいろな角度からの考察も必要です。いろいろな角度から、結論を支えるのです。「いろいろな角度から」の言葉で誤解して「あれこれ余分なものを混ぜる」のはだめです。

 論理構造を示すことも大切です。あいまいさを避け、つねに具体的に考え、それを示しましょう。行動に関わる主張は抽象的なレベルにとどめず、具体策を示しましょう。自明意識を排しましょう。そして、どれほど克明に考え、どれほどしっかり主張が支えられているかをすっかり見せるのです。

 

「論理的に考える方法」(小野田博一)P137〜P138より引用

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