根拠をみつける

 主張を直接支える根拠の探し方としてもっとも簡単な方法は、主張と根拠の間に飛躍がないかを考えることです。「あなたにとっての飛躍」がないかを判断するのではなく、他の人にとって飛躍が存在するかもしれない可能性を考えるのです。

 

 主張を直接支える根拠の探し方

 「なぜ?」と自問する。

 そのためには、人から根拠と主張のつながりについて、「なぜ?」と聞かれた場合、あなたはどう答えるだろうか、を考えてみるとよいでしょう。つまり、「なぜ『ゆえに』なのか」と自問してみるのです。

 「なぜ?」に対して、もしもあなたがすらすらといろいろなことを述べることができるのなら、あなたの主張と根拠の間には大きな隔たりがあると考えてよいでしょう。

 その「すらすらと答えられる返事」そのものの中に、主張を直接支える根拠―依然として間接的な根拠であろうとも、もともとの根拠よりもさらに近くから主張を支える根拠―がみつかることでしょう。

 

 主張を効果的に支える

 主張に対する反論をあらかじめ考える

 根拠は主張を直接支えるだけでなく、効果的に支えなければなりません。というのは、近くから支えようとしすぎると、極端な場合はほとんど同義反復になることもあり、そうなると根拠は主張を支える力を失うからです。

 とはいえ、同義反復ではばかばかしい「論」になることは、たいていの人には簡単にわかりますから、同義反復に注意する必要はないでしょう。

 さて、「効果的に支える」方法ですが、それには、「あなたの主張に対する反論」をあなた自身で考えてみるのがよいでしょう。そして、その反論に対するあなたの答え(つまり、反論に対する反論)を、あなたの「論」の中にはじめから盛りこむのです。そうすれば、あなたの文章は非常にしっかりした、強い論理性を持つ文章になります(またそうすれば、「あなたは非常に頭が切れる人」という印象も強く出せます)。

 

 主張と根拠の間に大きな隔たりをつくらない

 主張と根拠の間に大きな隔たりがある場合を大別すると、次の二つのタイプに分けられるでしょう。

 タイプA 主張と根拠がほとんど関係がない(テーマが共通なだけ)

 タイプB 主張と根拠の間に、述べられていない大きな前提がある

 タイプAの場合の根拠は実際は根拠ではなく、根拠のつもりなだけの「根拠」です(あるいは、根拠のつもりもない場合が多いかもしれません)。

 一方、タイプBには注意が必要です。というのは、大きな前提が隠れる場合、その前提はあなたにとって自明なことだから隠れてしまうのです。つまり、自明なことをわざわざ述べあげるのはばかばかしいし、時間や労力のむだでもあるから、「賢明」であろうとして前提が隠れるのです。しかしながら、あたなにとっての自明は「だれにとっても自明」を意味するものではありません。

 ある文章の背後に大きな前提が隠れていて、読み手がその前提に同意できない場合は、読み手にはその文章は非論理的に見えますから、大きな前提が隠れた文章を書かないように注意すべきです。

 タイプBの文章を書くのを回避するためには、あなたが自明と思うことですら、時間や労力を惜しまず丁寧に述べあげるのがもっとも単純で効果的な方法でしょう。

  

 「論理的に書く方法」(小野田博一)P80〜P83より引用

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